銀行はオワコン!というもの悲しい現実【復活希望】
製造業の弊社に若い銀行営業マンが転職してやってきました。
最近の銀行フィンテックかなあと思い話を聞いてみたら、レガシーを超えてレジェンドな現状に心打たれたので書き記します。
私も最初の会社は金融だったので、少し故郷みたいな感も抱いています。
商売の根本は”ゼニ”だと思いますし、ディスるつもりは無く多大なレスペクトはありますが、なんかこう親父が年老いていく感じでしょうか。
①ビジネスモデルが悲しいほど変わっていない
私が21世紀初頭に就職したときは銀行は”仕組み債”、証券会社は”グロソブ”が流行っていました。(懐かしいあなたは同世代です)
本業以外は手数料ビジネスだったわけですね。販社手数料がだいたい3%なので、1000万入れて30万の手数料です。
本業の方はネットに食われて、リテールなんか半分以上高齢者サービス事業なわけですよ。
そんで、15年の時を経て、フレッシュな元・地銀リテール営業マンさんに「最近銀行ってなに売ってんの?」と聞いたら「投資信託です」とのこと。秒で。
金利なんかさらに下がってるから定期預金なんかゴミだわ、事業者に貸そうにも与信管理厳しいわ、営業マン大変。
最近のリテール、高齢者はたぶんまだまだ貯蓄持ってるけど相変わらずタンスなんですかね。身の回りの高齢者もまだまだモバイルバンキングすら何ソレって感じなんで冒険してNISAぐらいだと思うんですよ。
んで、40歳以下とかそもそも貯蓄ないじゃないですか。マスデータですが50%が貯金100万以下です。それでも、やる人はネットで投資ですもんね。
対面で投信購入とか、レアケースだと思います。
というのを20年前も営業やってて思いましたが今もあまり変わってないらしい。
だからコストを下げて収益を維持するしか方向は無いわけで。
②今日も元気にリストラ実施中
ということでメガバン元気にリストラ実施中です。
どこが何人とかは報道のとおりです。
それでも銀行界隈は新卒入れてソルジャーにしてるのは何なんでしょうか。
Techの部分は外注してますしね。
ビジネスモデルの根本見直しが手入れできないんで、レガシーなビジネスを低コストで回すのに若年兵士を使ってる、としか思いつかないんですが。
なんとなく、若年層側も、営業の登竜門としてガバガバ大量採用の金融行っとけばなんか食っていけるやろ的に考えてると思うんですよね。
でも実際は、普通に昭和マインドで大量採用をなんとなく続けてて、「最近の若いのは仕事が続かんのお・・」とか思ってそうで怖い。
今の時代、さすがに灰皿は飛んでないと信じていますが、スルガの件などニュースを見るに心を痛めます。
事業ポートフォリオ云々もそうですが、そういう営業体質含めたビジネスモデルがまだ根強く残っており、結果としてコストカットしか道が無く、リストラしか道が残されていないというのは姥捨て山か貧困百姓かというぐらいもの悲しいです。
③昭和の時代とともに役目を終え沈没していく巨大艦船
戦後の高度経済成長からバブル絶頂まで、護送船団方式で長らく拡大を続けた銀行団も、平成が始まり終わるまでに「変われなかった」業界のひとつとして、今まさにタイタニックのように沈没しています。
最近は製造業との絡みが多いですが、昭和を生き抜いてきた企業はみな、同じような感じです。新規事業とかで変わろうとするんですが、昭和を生き抜いた”成功体験”が邪魔になり、結局変われない。
同じ事業体の中で、レガシー事業とイノベーティブ事業は共存できないのです。
できる企業も無くはないですが、圧倒的に変われない企業が多い。
もし、今後メガバンひいては銀行業界が大きく変わるとするなら、富士フィルムのように、「コア事業の片鱗だけ残しつつフレキシブルに変化するアメーバ組織」になると思います。
コアってなに?というと、やはり「金融」、カネの融通で、大規模な企業向け融資とか、クラウドファンディングでまかなえない大規模なファイナンスしか優位性が無いですよね。
最近VCでスり気味なソフバンに金突っ込んでるみずほとかソワソワしますが、ファイナンス事業で利益が出るぐらいはスリムになる必要があります。
そうして銀行には日本経済を立て直すため、なんとか復活してほしいものです。
でも金融リテール営業とか20年後くらいには間違いなく炭鉱夫みたいに絶滅種になるよね。