よしなかさん@おしごとラボ

ステップアップ転職ヤーで年収1000万からじぶん事業シフト。生き方、転職、経済など、これからの時代を生き抜くヒントを探し続けます。皆様のお役に立てれば幸いです。

「サラリーマン」が個人事業で「副業しよう!」と思ったときに「いちばん最初に」読む本

はじめまして。おしごとラボのyosshieと申します。

 この本は、サラリーマンが副業に挑戦してみよう!と思った時に、”いちばん”最初に読んでほしい本です。なぜかというと、副業といえど個人事業として「やること」を選択するときに考えることとしては、

①副業の内容、種類

②会社バレ対策(個人事業主、プライベートカンパニー)

③確定申告、会計、税金対策

 上記3つだけでも、いろいろな本を読んで勉強しても、なかなかスムーズに進む(決められる)ものではありません。私自身も昔はそうでした。副業で手軽に、といえど計画を練って実務とギャップがないかを確認するだけでも相当な時間と日数がかかります。(内容によりますがおおよそ2~3か月)

 ですので、「副業したい!」と思ってから実際にスタートするまでを、その熱が冷めないように、なるべく短期間で効率よい時間にして頂きたいと思い、この本をお届けすることにしました。そのため、「サラリーマン」の方が「副業」として「個人事業」をスタートするという内容に特化して記述しております。フリーランスとして独立しようとする方や、法人設立して積極的に事業展開しようと考えている方には物足りない内容になるかもしれませんが、ビジネスに使えるツールや多角化についての記述もありますので、参考にして頂ければ幸いです。
 本文ではなるべく無駄な記述は避けたいのですが少しだけ(笑)。私は新卒年収300万スタートから3回の転職で年収1000万と、営業として培った経験を元に副業し、月収10〜100万を同時に稼いでいる、だけどどこにでもいるような妻1人子供2人の地方出身アラフォー男性です。某インフルエンサー諸先輩方のようにきらびやかなキャリアではありませんが、だからこそこれからの時代にフィットした無理のない“ちょっと豊かで幸せな人生”のお手伝いができると信じております。それでは最後までお付き合い頂けますと幸いです。

※本文約18500文字(無料部分含む)

※note版:税法やWEBサービストレンドも日々変化していきますので、定期的にアップデートしていきたいと思います。

 

<目次>

【1】会社にバレない所得対策と確定申告

・やってはいけない副業!まずは就業規則をチェック

・会社に内緒でお金を稼ぐとき、確定申告鉄板ルール

・うっかり防止!バレる経路と対策

個人事業主なら節税の考え方も押さえておこう

・とりあえずおトクな「開業」時系列

【2】副業選び!ひとつに決めつけず沢山やろう

・「やりたいこと」と「お金になること」は必ずしも一致しない

・まず「やってみる」こと!頭でっかちにならず手を動かしてみよう

・市場は変わり続ける!ダメなら次

・おすすめ副業10選:2020年版

【3】副業を助けてくれるWEBサービス!

・会計がめんどくさい!からの解放!会計freee

・情報量がビジネス力を決める!勉強ツール

・自分でやれることしかできない?みんなでやろう!スキルシェア

【4】もうひとつステップアップするために

・生存率1割!だからこそ諦めずに立ち続けろ

・はじめての受注!初心者のブレイクスルー共通点

ランチェスターの「弱者の戦略」

【5】なかなかうまくいかない時に

・それは誰かが欲しいと思うもの?

・けっきょく「人と人」。人のつながりから始めてみよう

・お金を稼ぐだけが生き方じゃない

【あとがき】

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【1】会社にバレない所得対策と確定申告

●やってはいけない副業!まずは就業規則をチェック

 「副業しよう!」と思い立ったあなた、真っ先に頭に浮かんだのはなんでしょうか?本業の勤務が終わってからアルバイト、土日を使ってメルカリやアマゾンで転売、趣味のカメラを活かしてYoutuber・・・。

 それについて調べる前に、あなたの会社の就業規則をチェックしてみましょう。最近では、おもにIT系では副業OKな会社も出てきていますし、政府のガイドラインも改訂され副業解禁の流れにはありますが、就業規則に違反した場合は最悪、懲戒処分を設けていることもあります。

 ここでポイントになるのは規則文章の解釈です。私が過去に務めた企業では、「二重雇用の禁止」「就業に影響を与える副業の禁止」などが記載されていました。基本的にはアルバイト等による二重雇用が禁止されている場合が多いです。俗に言うダブルワークですね。ただ昔からシングルマザー/シングルファーザーが生活のために止むを得ずダブルワークを行うケースがありましたので、上長の承認を得れば黙認や特例の措置を取ることが行われてきました。しかし、そういった場合を除いては、住民税処理で本業の会社に判明するリスクが高いので給与報酬の副業(アルバイト)は避けるべきです(税額差異で気付くかどうか経理担当者の手腕・能力にもよります)。現金手渡しのアルバイトについてはどうかと言うと、これも本業の会社、副業の会社からの給与支払報告書をもとに自治体が住民税を計算しますので、考え方は同じです。事務職のOLが夜にキャバクラで働いていたのがバレてしまい、個人による現金手渡しのパパ活に流れ込んだなどと話題になったこともありました。

 「就業に影響を与える副業」というのは解釈が難しいですが、良くも悪くも拡大解釈のできる文言ですので、あなたの会社の社風や職場の雰囲気を考慮して、いざバレた時に論破できるようであれば挑戦してみても良いかとは思いますが、それに対するリスクリターンを考えるとあまり良策ではないかと思います。いかなる副業も禁止されているようであれば、おとなしく諦めて本業に精を出すか、給与アップだけが目的なら転職を検討するのも良いでしょう。

 さて、給与報酬の副業ではない場合ですが、一例として、会社員が「親から遺産を譲り受け不動産収入が入るようになった」ケース(不動産所得)を考えると、世の中的にはさして珍しいことではありません。これを禁止する権利は会社にはありませんから、給与報酬以外の収入については就業規則の抜け道になっている場合が多いのです。つまり、選択肢としては「自分が事業主としてお金を稼ぐ」または「(結婚している方ならば)家族に事業主として稼いでもらう」の2択となってきます。家族を事業主として稼ぐことについては少し複雑なので別コンテンツにて解説したいと思いますが(単純に名義貸し行為は違法です)、ここでは「自分が事業主としてお金を稼ぐ」方法について述べていきます。

 では副業といえど事業主として、アルバイトでなく自分でアクションしてお金を稼いだ場合、どの時点から「副業の収入」になるのか?という質問に対しては、「本業以外でお金を手にした時」という答えになるでしょう(厳密には発生主義という概念がありますが割愛)。もう一歩突っ込んで言うと、売上から原価を差し引いた「利益」がイコール「所得」になります。たとえば量販店のセールで20万円の家電を買ってきて、30万円で転売できた、という時は利益が10万円ですから、この場合は確定申告で申告不要とされる「20万円以下の給与以外の所得」となります。それでは次に「確定申告」についてざっと解説していきます。

●会社に内緒でお金を稼ぐとき、確定申告の鉄板ルール

 「副業 税金」などで情報収集すると「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」と書かれているものが多いですが、これはかなり誤解を生みやすい表現です。私も最初のころはあまり理解しておらずヒヤっとしたこともありました。あたかも「差し引き利益が20万円以下だったら何もしなくていいよ!」と解釈される方も多いのではないでしょうか?実はこれは「所得税」に限った話で、住民税はまた別の算出方法が適用されます。それでは、確定申告を理解する「必要最低限の原則ルール」を以下にまとめます。なお、細かくは所得内容により適用が異なりますので、個別については別途お調べください(「FX 税金」など)。

所得税国税、国への申告)は給与以外の所得が20万円以下の場合は申告不要

②住民税(地方税自治体への申告)は給与以外の所得が1円でもあれば申告が必要

③確定申告をすれば所得情報が国と自治体へ連絡されるため別々での申告は不要

 以上から、給与以外の所得が1円でもある場合は確定申告が必要ということになります。これもあくまで原則ルールであり、元国税庁の方などに伺ったところでは、やはり”取り立て”のコスパなども勘案するため、一定以下の額では税務調査などで狙われることは少ないようでした。とはいえギリギリの線で意図的・中長期的に脱税まがいの行為をしていれば当然国税調査官の的になりますので、最初は副業の育ち具合を見ながらでも結構ですが確定申告することをお勧めします。

 さあ、確定申告を理解したうえで、会社バレ対策としてもうひとつ押さえておくことはこれです。

 

事業所得分(副業分)の住民税を普通徴収にする

 確定申告の書類にある、「住民税に関する事項」の「自分で納付」というとこが該当部分です。ただし自治体により対応が異なるため、念のため自治体の税務担当に電話して確認した方が良いです。税徴収側の視点で考えると、企業から特別徴収(給与天引き)で回収する方が確実であるため、表向きは「特別徴収推進」とする自治体が多いですが、個人の普通徴収の要望に対しても強い態度を取るか、柔軟に対応するかはケースバイケースてす。また、役所手続きの人的ミスで特別徴収とならないよう、4月頃に自治体の担当者へ問い合わせと念押しするとより確実です。

 

●うっかり防止!バレる経路と対策

 確定申告もうまい具合に対処して、バレずに順風満帆!というその時にも気を緩めないようにしましょう。特に儲かってくると意外と多いのが、「この前○○でいくら儲かって…」と酒の席でポロッとこぼしてしまいそれでチクられるパターン。なんともったいない!そういった噂は光の早さで伝わるもの。また、今ではSNSで副業発信してしまったりコメントのやりとりで見つかったり、とにかくネット上の個人情報がどこで紐付いているか管理が難しくなっています。既に繋がってしまっているものは仕方ないのですが、充分注意しましょう。
 そして、今では個人事業においてウェブでのマーケティングは欠かせませんが、特にネットショップでの特定商取引法記載、またフリマアプリ等での出品者情報には注意しましょう。これらの対策も無いこともないのでしっかりと認識しておきましょう。

 

個人事業主なら節税の考え方も押さえておこう


 さて、会社バレ対策が済んだところでもう一度税金の話に戻ります。売り上げた金額から原価や経費を差し引いたのが利益(=所得)とお伝えしましたが、業態にもよりますが、この「原価」をどう捉えるかで最終的な利益額を調整していくことになります。
 再び転売を例に取ると、5万円で買ってきたカメラをネットショップで10万円で売ったとします。このままだと利益は5万円ですが、カメラを買いに電車に乗って出かけた時の交通費。ネットショップに情報をアップロードするための通信費。これらの、直接ではないにしろ売買に付随した費用(経費)も「原価」に加わります。それらも差し引いたのが最終的な「利益(≒所得)」になります。
 どこまでが経費か?についてはいくら調べても結局「明確な」答えはありません。対策の対象としては「税務調査」になりますが、押さえるべきところは結局「あなたが問い詰められた時に“事業のための出費である”と言い切れるか、証明できるかどうか」になります。事業が大きく育つまではあまりここにこだわりすぎても意味がありませんから、これも必要なポイントを押さえるだけにしておきます。ご興味のある方は関連書籍や、ユーチューブでも多く動画がアップされていますのでご参照ください。

 

●とりあえずおトクな「開業」時系列

 副業サラリーマンの場合、開業から最初の決算までの流れは下記のようになります。
①開業届を提出(青色申告の場合は承認申請書も提出)
②11月に本業(サラリーマン)の年末調整
③3月に確定申告で副業の決算
 いつから事業を始めるのがおトクなの?ということについては、これもケースバイケースのためネットに答えはありませんが、強いて言えば4月から6月頃、確定申告時期を過ぎたあたりがオススメです。個人事業の「決算月」は12月末と決まっており、また確定申告というイベントが2月15日から3月15日まで行われます。ということは、これから副業を始める場合、12月に届け出てしまうと、ろくに売上も上がっていないうちに確定申告の書類整理に追われることになります。開業の届け出(開業届)は「開業から1ヶ月以内に提出」とありますが、簡単な書類だけのほとんど自己申告的な手続きなので、副業で思いがけず急に大儲けしちゃったとか、特別な日付への思いが無いようであれば、4月から6月頃の開業として、翌年の確定申告までじっくり準備した方が良策です。
 また、開業時のメリットとしては、事業に必要な設備等の購入費について「開業準備費」として、数年さかのぼった費用も含めて計上できる点です。副業を色々と検討する中では、当初の計画から方向転換することもザラです。「YouTubeの撮影用に昔買ったカメラ、今は事業になってるからこれも費用になったじゃん!」というのも起業あるあるですが、これから始める方で事業見通しが立っていなければ、開業時の特権を活かしてやりくりしたい所です。ちなみに青色申告を選択すると損失(赤字)繰り越しができるので、なにかと収入の見えない初年度の費用を翌年以降(儲けが出た場合)の税金から差し引くことができます。

 

【2】副業選び!ひとつに決めつけず沢山やろう

 

●「やりたいこと」と「お金になること」は必ずしも一致しない

 さて、実務をざっくり把握した後は実際になにを副業にするか決めていきましょう。といっても膨大な候補の中からひとつに決める必要はありません。本業との兼ね合いのなかではブログやユーチューブなどのWEBベースが取り組みやすいですが、近年、参入が多くレッドオーシャン化が否めないのと、ブログであれば検索エンジン、ユーチューブであればサービス自体など、特定プラットフォームのルール上での収益はルールチェンジにより不安定化しやすいため、よく検討して自分に合ったものを見つけましょう。
 お金になること=それを欲しいと思う人がいるかどうか、また過度な競争が無いほど、お金に替えられる確率は高まります。これは私が数社でサラリーマンをやってきた経験の中からも確信していますが、それについて専門家の少ないニッチな市場であるほど、ラクに戦うことができ、儲かる仕事にする事ができます。大企業で働いている方であれば、3C4PやSWOTなどフレームワークを用いて事業分析を行ったこともあるかもしれませんが、スモールスタートで限られた選択肢から始める個人事業ベースの副業ではあまり役に立たないかもしれません(大事な視点ではありますが)。それよりもまず「やってみること」の方が大切です。

 

●まず「やってみる」こと!頭でっかちにならず手を動かしてみよう

 ここで言いたいことは、あまり考えすぎずに他動的に取り組んでみましょう、ということです。無駄に動くのはイヤだからじっくり考えた方が効率がいいだろう!という意見もごもっともです。しかし、市場の変化が早い今の時代ですから、思いついたビジネスアイディアで成り立つか?もう時代遅れではないのか?の検証が必要です。今あるビジネスアイディアでPDCAサイクルを高速で回し、より「効率的に」稼げる方法を見つけることに注力しましょう。企業では「事業ポートフォリオ」なんて言ったりしますが、ここでは平易に「やることポートフォリオと名付けます。

 特にWEBコンテンツ系のブログやYoutubeでは、活動開始から収益化までコンテンツ100本程度が準備できるまで収益に変動が少ない、もしくは全く稼げないとも言われています。私も、収益化がうたわれるかなり前に趣味でエンタメ系の動画をYoutubeにアップしていましたが、更新頻度がかなり少ないにも関わらずチャンネル登録者や再生回数がどんどん伸びていきました。しかし最近になってテスト的に動画を数本、ジャンルを分けてアップしてみましたが、かなりアクセスを稼ぎにくくなっている感触があります。今やYoutubeも芸能人の方が気軽に始める/本気で取り組むプラットフォームとなっており、古参のユーチューバーも併せて急速にレッドオーシャン化しています。この傾向がどこまで続くかわかりませんが、少なくとも”クリエイター”としてはかなりハードルが高くなっており、動画編集や画像/音楽編集など、クリエイター周辺で稼ぎどころを探したほうが難易度は低いかもしれません(スキルシェアの項で後述します)。

 「やることポートフォリオを検討するうえでは、”コンテンツ制作””スキルシェア””ショップ運営”、”ローカルビジネス”の4つを軸にするとバランスが良いです。具体例を挙げると下記のようになります。

コンテンツ制作 >ユーチューバー、ブロガー、note販売

スキルシェア  >ランサーズ、クラウドワークス、ココナラ

ショップ運営  >リアル店舗、ネットショップ(転売含む)

ローカルビジネス>現在の人脈上での商売

 今、自分ができそうなこと、思いついたことをこの4つに分類してみましょう。まとめてみて気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、上から順に、対人のリアルなコミュニケーションが増えていく業態になっています。つまり、コンテンツ制作は人と関わらなくてもスタートできる意味で、完全に自分のペースで進められるので、始めること自体のハードルは低いです。しかしハードルが低い分競合も多く、収益化するまでには一定の努力と運が必要です。

 下にいくにつれ、必要な対人コミュニケーションが増えていきますが、多かれ少なかれ現金化・収益化できる確率はかなり上がります。これは面白いもので、特に日本では”需要・供給”と”信用・信頼”が重なったときに商売として成り立つことが多いと思います。デフレの影響か、「おもてなし」精神の裏返しか、日本人は(特にオンラインの)無料サービスに慣れているので、お金を払おうと思わせるまでには「この人にはお金をあげてもいいな」と共感を得るぐらいの信頼を得る必要があります。極端ではありますが、ネットでコンテンツをアップして売れるまで待っているより(よほど刺さるコンテンツ以外は)、近所の人が困っているときにお手伝いしてあげたほうが、よっぽど”あなたのアクションを現金化できる確率”は高いと思います。

 かといって何でも屋としてひたすら近所を回り御用聞きするわけにもいかないと思いますが、要は周囲のコミュニティと繋がりがあればそこで求められているものを提供することです。今であれば、たとえば自分の親がサークル活動をしていて、もう少し集客したいという要望があるときに、まずは無料で簡単な動画を撮ってWEBに流してあげる。これが評判になって、親の知り合いから製作依頼が来て見返りに謝礼をもらう・・・というのも珍しいようで意外とマネタイズが早い展開です。なぜかというと、ここには2つの要素、「経済ギャップ」と「技術的ギャップ」が存在しています。年代が上の人ほど「経済的余裕はあるがITスキルがない」、年代の下の人ほど「ITスキルはあるが経済的余裕はない」、この2つの需給が結びつきやすいのです。今や、Youtube動画レベルであればスマホだけで作れてしまいますが、若い人の”当たり前”は年配の方の”当たり前”ではありません。若い人からすると「えっ、こんなことで感謝されるの?」ということはいくらでもあります。(都心ではITに詳しい年配者も多いですが・・・)

 どんなビジネスでもそうですが、ユーザーの理想と現実との”ギャップ”が多いところにこそビジネスチャンスがあります。そのギャップに気づき迅速にサービスインする行動力があるかどうかで全てが決まります。それが分かれば皆が億プレーヤーでしょうから、そこが難しいところですが、ぜひ思いついた商売のタネは、少しでもいいのですべて手を付けてほしいと思います。

●市場は変わり続ける!ダメなら次

 いくつか考えた商売のタネが育ってきたとしても、それで安泰ということはありません。それはもしかすると今現在、たまたまハマっただけの可能性もあります。どんなビジネスやサービスも、”おいしい”時期もあれば、成熟して衰退する時期があります。町の商店街が大型モールに食われ、大型モールがネット販売に食われているように、時代とともにビジネスは最適化されていき、最悪、業態や市場が消滅してしまうこともあります。私の身の回りでも、何かのビジネスで成功してもそれに固執せず、新しいテーマを探し資本投入していくスタイルが主流になっています。多角経営というよりも、育てては売却して別の事業に投入するイメージです。最近はよく言われていることですが、ひと昔前の起業というと「会社をでっかくするぞ!」とか「将来的に上場を目指す!」というのが目標になっていましたが、近年の起業家はそこそこ育てたらバイアウト(事業売却)してそれを元手に新事業を始めたり、アーリーリタイアして片手間でビジネスしたりと、事業に対する意識が変わっています。それだけプロダクトサイクルが早まっているため短期売却のほうが効率が良いのと、バリバリな物質主義から人々の考え方・人生観が変化していることが影響しているのかもしれません。

 とにかく、少しやってみてどうにも手応えが無かったり、短期的に儲かったけど先行きが不透明である場合は、躊躇せず新しいこと・思いついたことに取り組んでいくのが大事です。不遇な時代を経て成功したりとか、”継続は力なり”を体現しての成功に価値があるような考え方もありますが、変化の激しい時代は固執することが機会損失のリスクに繋がる確率が高いです。
 

 

●おすすめ副業10選:2020年版

 さてここでは2019年11月現在でお勧めする副業を10個取り上げてみたいと思います。

Youtube
 色々と言いましたが一つ目はやはりYouTubeです。新規に参入する人たちが増えてはいますが、テーマを絞ることで収益化は可能であるのと(再生時間10000とチャンネル登録1000人が現在の収益化条件)、最低限、スマートフォン1台から始められるのが魅力です。
 以前はどんなジャンルの動画でも、全体的な動画数が少なかったためアクセスが稼ぎやすかったのですが、現在では、より人々が興味の対象となるものに絞り込むことでの差別化が必要になっています。

 特に直近ではビジネス系の YouTube元年とも言われており、本来のエンタメ系動画が主流である傾向に変化が見られています。チャンネル登録数を増やすためには同じテーマで複数の動画をアップする必要がありますが、まずアクセスを稼げる動画の傾向を探るため、自分が発信できる内容の動画を複数挙げてみて傾向を探るのが良いでしょう。再生時間はいくつかの動画をアップすれば自然と伸びていきますが、チャンネル登録者数を増やすのは コンテンツの内容が重要のように思われます。

アフィリエイトブログ
 現在では少しずつ難易度が高くなっていますが、アフィリエイトプログラムや amazonアフィリエイトを活用して、まだまだ副業候補の上位に位置すると言えます。私はこのコンテンツが主戦場ではありませんが、それでもお小遣い程度は収入が入ってきます。
 YouTube と同じく作成したコンテンツが資産となる意味では取り組む価値はあります。よく言われていることとして、100本のコンテンツが出来上がる頃には収益化が見え始めますが、しばらくの期間は忍耐が必要です。月に100万円以上の収益を目指すのであれば難易度は高いですが、不労所得を得る資産として考えれば、一度取り組むのも良いでしょう。

 ウィークポイントとしては、活字サイト自体がグーグルの検索ルール改定の影響を受けやすくなっており、今後の5G通信の普及も伴うと、ブログという情報コンテンツの影響力低下が懸念されます。

③note販売
 YouTubeアフィリエイトブログと異なり、ユーザーへ直接的に有料コンテンツを販売していきます。価格は自由に設定できますが、イメージとしては簡単な書籍を作成して販売していくイメージです。note自体のコミュニティ力は弱いので、SNSやYoutubeと連動させてプロモートすることが必要です。note単体ではなかなか販売が進んでいかないという声も聞かれます。
 同様なサービスとして、Amazon Kindleの自作コンテンツ販売が挙げられますが、noteも含め他のメディアを活用していかにリンクさせていくかが重要かと思われます。

④ランサーズ、クラウドワークス
 次はいわゆるスキルシェアという方法です。簡単なExcelプログラムを自作して販売したり、イラスト作成、音楽作成などを受託して販売します。比較的企業案件も多いので、ニーズとマッチすれば単価が飛躍的に上がります。ただし依頼者から見るとスキルの把握が難しいため、単純にプログラム作成や楽曲作成という内容だけでは実績ランサーとの差別化が難しく、Excelマクロ作成やロゴマークの作成など、より用途を細分化してPRするのが必要です。開始当初は500円や1000円で受注し実績を積んでから単価を上げていく傾向があります。
 個人的には次世代の働き方を担うプラットフォームとしてかなり注目しています。プログラミングやコンテンツ制作などパソコンを使用した副業と親和性が高いです。育児などで退職した主婦の方も多く見られますので、女性活躍の場としても期待できます。最近ではYouTuberが動画編集を委託したり 音楽制作を委託する案件も見られるため、そういったスキルがある方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

ストアカ 

 ストリートアカデミー、個人学習のマッチングサービスです。自分の得意な分野で個人授業を出品するイメージです。プレゼン講義などビジネス系やハンドメイドワークショップ、ボディメイクなど、いろいろなジャンルの講座で出品できます。「人に教える」となるとスキルだけでなく相応のコミュニケーション力も求められますが、特にインストラクター系の方は社員としての報酬より単価を上げられる可能性が高いです。
 欠点は、「基本的に」本人写真と実名をプロフィール登録しなければならない点です。もしくは、WEB上での活動実績があれば「ビジネスネーム」登録もできるようですが、ある程度インフルエンサーとしての実績値が必要だと思われますので、今後の条件緩和が待たれるところです。

 タイムチケットも、”時間の切り売り”からスキルシェア型として利用方法が変化してきています。こちらも利用者は多いのでチャネルのひとつとして活用できそうです。

⑥セールスハブ

 登録企業の営業支援を「サポーター」という立場で行う”営業マッチング”サービスです。アポイント取得やキーパーソンとの面談セッティングが活動となり、成約に結び付いた場合に数千円~数万円の報奨金が支払われるという仕組みです。ソリューション営業やコンサルティングを行う方は親和性が高そうですが、成約までの確率を考えるとある程度サポーターが成約近くまでリードする必要があり、それなりのニーズがある魅力的なサービスを見つけなければコンスタントな収益は難しそうではあります。

 個人的には企業の営業活動も今後アウトソーシング化が進む(特に完成品)と考えており、営業マンの働き方の細分化を担うプラットフォームとして期待しています。実際、様々な理由で「売り込める営業マン」は不足しており、販売力のある営業マンのニーズは慢性的に高止まりすることが予想されます。

⑦ビズリンク、プロの副業

 スキルシェアでも難易度の高い案件やプロジェクト単位での受注が見込めますが、マッチングには担当者が介在するので、短期派遣バイトのハイレベル版といったイメージです。難易度の高いものがすべてではないですが、エンジニア系との親和性が高いものの、戦略立案などマーケティング要素の案件もあり、個人スキルにフィットすれば非常にやりがいのある副業になると思います。
 自分の市場価値を高める「スキルのかけ算」的にもトライする価値はあります。が、本業とのバランスには気を付けましょう。

⑧ネットショップ販売
 販売する商品はいろいろとあれど、ネットショップ運営もかなりハードルが下がってきており、 一昔前はカラーミーショップなどで店舗デザインし カート販売のサービスを利用し(審査手続きあり)、自分の作った商品を販売するというのが一般的でした。しかし最近ではフリマアプリが発達した影響もあり、BASEのような簡単開設・販売開始が可能なサービスも人気で Instagram などのSNSとショップを連動させ、手軽に販売を開始できることが魅力です。(なんとカード決済の審査手続きもありません)
 いわゆる”せどり”も以前から人気ですが、これについてはYouTubeでもノウハウ紹介動画がたくさんあるので、そちらを参照してください。せどりもノウハウが成熟してきているため競合が増えてきていますが、それでも「安く買って高く売る」という商売の基本をベースに、比較的手軽に始められる良い副業候補だと思います。特にディスカウントストア、特売店、リサイクルショップが近隣にあれば、立地的にアドバンテージがありますので、有利に進められるかもしれません。

⑨フリマアプリ
 メルカリやヤフオクに代表されるフリマアプリです。ひとまず軍資金目当てに身の回りの不用品を販売する人も多いかと思います(この場合は雑所得か、非課税の生活動産販売となります)。ハンドメイド作品の販売も盛んであり、専業主婦がお小遣いの為に ハンドメイド作品を販売するベースともなっています。ハンドメイドに限れば、このほかにminneなども人気です。
 メルカリで特徴的なのは、販売した時に現金ではなくポイントを受領し、そのポイントを利用して別のものを購入することもできるため、メルカリでの購入品がある場合は節税につなげることも可能です。

 かくいう私の妻もママ友がメルカリのハンドメイド販売で儲かったという話を聞き、自分でもハンドメイド作品の販売を始めたほどです(収支は不明ですがメルカリでの服の購入などに充てています)。

⑩オンラインサロン

 これについてはサロン運営側と、サロン利用者側として、二つの収益化の可能性があります。まず運営する側としては、YouTubeライブ配信から固定客をつけ、サロン会費などで受注する流れです。世代ですが、mixiのコミュニティ機能に近いものがあります。一方、参加する立場としては有名人のオンラインサロンに入会し、そこで動画編集などの手伝いを申し出て、スキルを積んで副業にまで育てる、といった特殊な例もあります。

 要するに、自らコミュニティを形成するか、コミュニティに入り込むことで人脈をつくり、そこから仕事につなげていくという逆引きの方法です。
 オンラインサロン自体が瞬間風速的な雰囲気ですので、長期的に続けていくとなると、むしろストアカのような、先生と生徒という関係を築いた方が良いかもしれません。ヤフオクやインスタその他ライブ配信の動画をプロモーションツールとして、商品の販売と連動させるのも一種のブームになっていますので、可能であればサロン運営側も一度経験しておいた方が良いかもしれません。

 

【3】副業を助けてくれるWEBサービス!

 ひととおり副業の候補を見てきましたが、ここでは副業を補助してくれるWEBサービスについて解説していきます。

●会計がめんどくさい!からの解放!会計freee

 会計ソフトは昔から存在していましたが、いまスマホ時代に最もフィットしたのがこの会計freeeといえるでしょう。スタンダード版で1000円/月程度ですが、ネットバンクやカードとの連動、自動仕訳など、煩雑な会計”作業”がかなりスマートになります。また開業freeeや人事労務freeeなど、数十名規模の組織までスケールアップできるのが魅力です。副業が発展して法人成りから大規模化まで・・・というとこまで本書はフォローしていませんが、たとえ大きくなっても安心です。

 現在でもレシートを撮影して自動仕訳する機能は使用可能ですが、今後AIやOCR技術が進歩すればおおよその事務的な作業はスマホ1台で完結するようになると思われます。確定申告が微妙にアナログ要素を残しているのが気がかりですが・・・。どちらにせよ個人事業規模の会計ソフトとしては機能コスパともにオススメです。

●情報量がビジネス力を決める!勉強ツール

 個人事業規模の副業ではWEBベースの事業が主力になってしまいますが、無数のサービスが現れては消え・・・この業界にキャッチアップし続けることが重要です。Youtubeはじめ、無料で著名人の生の声で学べる環境があるのはありがたいことです。同時に全世界も同じ速度で発信し学んでいます。刻一刻と変わるビジネス環境を把握しチャンスをとらえるために、積極的に学んでいきましょう。

 まずYoutubeですが、ここ数年でビジネス系ユーチューバーが増えてきて、newspicksのような動画配信プログラムも充実してきています。これが無料なのが素晴らしいとこですが、さらに音声だけ利用することで、作業中、移動中、食事中などでも情報摂取が可能です。次にAmazon kindleですが、unlimitedに登録すると月額1000円程度で対象書籍が読み放題になります。必要な書籍は購入するのですが、浅く広くの情報収集であれば読み放題対象の書籍でも十分足ります。昨今ではYoutuberが話題書籍の要約もしてくれるので、キャッチアップするぐらいであればかなり低コストであると思います。また、Audibleは少しお高いですが、音声利用できれば「ながら読書」が可能になります。

 

●自分でやれることしかできない?みんなでやろう!スキルシェア

 さて、さきほど副業対象としたスキルシェアですが、発注者として活用することも覚えておいてください。たとえば自分には動画編集するスキルはあるけど、商用利用できる音楽を作る技術はない。そんな時に、ランサーズやクラウドワークスで音楽制作スキルを持った方に発注し、自分が取りまとめる形で動画制作の依頼者に納品するといったイメージです。

 設備製造業などでは当たり前に行われていますが、様々な技術を持った個人を集めることでサービスの幅を広げることが可能になります。もしくは、自分はとりまとめだけ関与し、実務はすべて外注してしまっても良いかもしれません。業界によっては「中抜きなんてありえない!」という考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、発注者のニーズと供給側のクオリティが釣り合えばちゃんとお仕事になります。

 自分は絵だけしか描けないけど、その絵をもとに誰かがアニメーションにして、誰かが音楽をつけて・・・と、それぞれスキルを持った個人同士がチームでプロジェクトを取っていくことも、広がりを持たせるためのツールであると認識しておいてください。

【4】もうひとつステップアップするために

●生存率1割!だからこそ諦めずに立ち続けろ

 事業の世界でも、投資でも、アスリートでも、時間軸は様々あれど「生存率1割」ということがよく言われます。新しく起業したスタートアップの会社も10年後の生存率1割、株やFXで新規参入してきても5年後の生存率1割、といった感じです。これについては「打席に立ち続けること」と「成功確率=期待値」の話になりますが要約しますと、「度重なる失敗で手法を改善して成功確率を高めてもなお、打席に立ち続けられる者だけが時折来るチャンスをモノにできる」、ということで、ある投資家さんのお話なのですが、これこそ失敗・継続努力・成功といったエレメントのつながりを端的に見事に表現していると思います。副業といえど事業を志すなら、いくら失敗しても振り返り改善して場に立ち続けることで、成功の兆しは少しずつ増えていくものです。

 そしてまた、企業再生やベンチャー秘話など見ると必ずと言っていいほど、どん底の状態からふとしたきっかけで再起、といったくだりがあるものですが、リスク側への振れ幅が大きくなっていく中で、乗り越えた時のリワードも増幅するのかもしれません。

●はじめての受注!初心者のブレイクスルー共通点

 副業を始めてみて、最初の受注にこぎつけるまで苦労することも多いと思いますが、初めて商品が売れた、サービスが売れた時の達成感はひとしおです。副業を始めた人に話を聞いたり、体験談を見たりすることが多いのですが、おしなべて最初の受注までに投入する最低限の時間というようなものがあり、後は価格をギリギリまで低くしたり、初回サービスというようなキャンペーンを打って、ようやく受注するというケースが多いようです。

 ハンドメイド作品ならメルカリ、スキルシェアならランサーズ、など、プラットフォームの親和性を間違えてなければある程度継続活動することで、受注につながる可能性は高いと思います。ポツポツ売れるようになった後も、もっと利益率をあげたいとか、もっと販売個数を増やしたい、と言ったような課題はどんどん出てきます。
 どんな仕事にも言えるのですが、なかなか伸びない場合は ユーザーや市場のニーズと自分が行なっているサービスが かけ離れていないかチェックすることが必要です
 YouTubeやブログならアクセス解析でトレンドを把握することは可能ですが、商品販売やサービス提供の場合は、実績を積み上げていく中でしか傾向を把握できません。しかし、今ではいろんな方がノウハウを無料メディアで提供してくれています。競合がどんな戦いかたをしているか?自分の製品や見せ方に改善の余地はないか?もっと効果的なハッシュタグはないか?など、戦略を意識して取り組みましょう。「戦略なんて難しくてわからない!」と思わずに、少しでもいいので調べて、実際に手を動かしてください。これを出来ないで諦めていくから生存率1割の仲間に入れない人ばかりなのです。失敗しても怒られるわけでもクビになるわけでも死ぬわけでもありません。少しずつでも良いので実践していきましょう。

ランチェスターの「弱者の戦略」

 今ではどんなプラットフォームも先人がおり、 成熟しきった場所に後発組として算入するには検討すべき課題が山積みです。個人事業や零細事業として、ランチェスターの弱者の戦略は非常に有効な教えです。競合がひしめき合うレッドオーシャンで多大な労働コストを払って消耗しても手元に残る利益は少ないですが、戦わずして勝てるようなビジネス領域を見つけること自体が戦略であるとランチェスターは言います。言うのは簡単でも探すのは非常に難しいですが、本業でニッチな領域を テリトリーとしている自分の経験から言ってもこれは間違いではありません。またそういった市場が少なからず存在していることも事実です。世の中が便利になっていくと同時に、理想と現実とのギャップも変化しながら必ずついて回ります。そのギャップにいち早く感づいてサービスインすることが、私は副業に重要な考え方だと思います。

 

【5】なかなかうまくいかない時に

 

●それは誰かが欲しいと思うもの?
 よく1・3・5の壁と言われますが、1万でも5万でも、1億でも5億でも、事業ステージを上げるためには必ずぶつかる壁が存在します。それは個人事業主も同じです。 規模が大きくなるにつれ、様々な課題に直面します。副業としてどこまで事業を伸ばしたいかという考え方やスタンスの問題にもなりますが、壁を感じた時に、もう一度自分が提供しているサービスや商品を見直してみると良いでしょう。先ほど紹介したWebサービスも、2~3年後には新しいサービスに取って代わられているかもしれません。市場のニーズも刻々と変わっていき、そして今はそのスピードがとても早いのです。
 私はサラリーマンという本業と副業でのスキルを掛け合わせ、生涯収入を最大化する方法を良しとしていますが、もし個人事業主としてもっと成長したいと思う場合は、常にユーザーや市場が何を欲しがっているのかを考え続けてください。

●けっきょく「人と人」。人のつながりから始めてみよう
 最近ではどんな企業も新規事業を推進する部署を立ち上げており、急に指名された人々が何か新しいビジネスはないかと探し回っている光景がよく見られます。しかし結局机の上で考えても推測の域を出ることは難しいものです。仕事とは結局人と人とが交わす約束ですから、いろんな立場の色んな業種の人々と会話を交わす方がヒントになる可能性は高いです。
 交流会サロンなどと言うと胡散臭いイメージがつきまといますが、それも完全に間違いではありませんし、巧妙に隠しているケースも多いです。しかしコミュニティの信頼性を担保確認できるものも増えていますので、なかなか億劫である気持ちは充分わかりますが、積極的に交流会などに参加して自分の居場所を複数持っておくことは、ビジネス上、また精神衛生上もメリットがあります。特に日本人は親切ですから、自分の弱みを話す人には協力してあげたくなってくるというものです。テクニックとして使うにはあまりに味気ないですが、そういった他者とのやりとりから仕事につながることも、長く続けていく中では重要です。

 人のご縁が全てではありませんが、仲間であったりクライアントであったり発注者であったり、とにかく色々な他者と関わるという視点を大事にしてほしいと思います。

●お金を稼ぐだけが生き方じゃない

 最後に元も子もないことを言ってしまいますが、人生はお金だけが全てではありません。特に最近、堀江貴文さんや若くして成功した人々が言うこととして、結局お金はツールでしかなく、時間こそが人間に与えられた最大の宝物である、というのがあります。この言葉には二つの解釈があります。一つは堀江さんの様に、給与労働やアルバイトなどの「他人(のために)時間」をそぎ落とし「自分時間」を充実させQOLを上げていくという、時間を「貴重な有限資源」として捉えた解釈。もう一つは限界に近づきつつある資本主義(労働支配=時間支配)から距離をとって、別の価値をベースに生きていこうという解釈。おもに経済界隈で謳われています。
 近年はこの二つの意識が多く議論されており、どちらを優先するかというのも難しいのですが、70年代刊行のベストセラーで日本でも人気な”モモ”という児童書があります。「時間銀行」という概念で資本主義に対し問題提起していますが、時を超えて同じ価値観が再び世間に広がっていることは感慨深いものがあります。人々は長きにわたり疑問を抱きながらも資本主義が行きつくところまで進み続けてきたわけで、今まさに意識の変化が表層化しているといえます。この考えについては別のコンテンツでお伝えしたいと思います。私もこの本をリリースしておきながら恐縮ですが、副業を頑張ってちょっと豊かな生活を送るという選択肢も持ちつつ、世の中が大きく変わるようであれば、資本主義すら捨ててしまってシェアリングエコノミーの経済に身を置くようになるだろうと考えています。ただし根本的には人が何を求め、また自分が何を提供できるか、という点は世の中が制度を変えてしまっても変わらず残り続けることだと確信しています。

 少々スケールが大きくなってしまいましたが、自己発信で副業に取り組むことは、その後の価値観が大きく変化したとしても、プラスにしかなり得ないと私は考えています。今のうちにスキルシェアでの経済活動に身を置くことで、シェアリングエコノミーが本格的に普及したとしても、路頭に迷わず変化に対応していける素地が育まれます。

 さて、税務対策から副業プログラムまでざーっと解説しましたが、いかがでしたでしょうか。繰り返しお伝えしたいのは「まずやってみること!」です。やってみて、1か月でも3か月でも、できる範囲でいいので継続してみましょう。一度は諦めても問題ありません。市場は逃げません。

 

【あとがき】
 この度は本ノートをご購入いただき、また最後までページをめくって頂き誠にありがとうございました。あなたにとって少しでも得ることがあれば大変嬉しいです。私自身は金融・商社・メーカーなどを渡り歩き、その中で色々と得た知見も大きいですが、副業を始めてからというもの、失敗の連続と、その中から学び取ることの情報量は、他の何よりも代え難いほど大きいものです。(今も試行錯誤しながらトライ&エラーの繰り返しです)

 副業を通じて、あなたがより豊かな人生が歩めることを祈念致します。

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